消費ちゃん

消費することしかできない人が好きなことを書いております

キラキラな黒歴史「プリ帳」

こんにちは!消費ちゃんです。
突然ですが、私は過去をうじうじ振り向いては懐かしむことが大好き!です!!

プリ帳とは

 
たいして美人でも可愛いわけでもスタイルがいいわけでもない自分の顔と全身をよくもまぁパシャパシャと撮っていたな、と今は思うけれど、中学〜高校まで、「友達と遊ぶ」ということにはほとんど必ず「プリクラを撮る」とう行為が含まれていました。
 
そのプリクラ(念のため言うと、シールになっている)を「プリ帳」という自分専用のノートやアルバムなどに貼り付けてデコるまでが一連のプリクラに対しての遊び方でした。
 
もの凄く恥ずかしいのですが、ある程度実物を載せないと話にならないので……JC~JK時代の私のプリ帳をご紹介させて頂きます。
 
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以上、4点。もうそろそろ全部スキャンして実物は黒歴史としてお焚きあげしたいんですが面倒くさくてまだ残しています。褒められたセンスのものではありませんが、順に時代を追って見ていきたいと思います。
 
 

【2000年頃】シール帳型【小学校高学年~中学1年】

 プリクラが広まる前の小学生の私の周りでは、単なる「シール交換」が遊びとして存在していました。「たれぱんだ」「こげぱん」など当時流行っていた好きなキャラクター、「ちゃお*1」の付録の漫画のキャラクター、駄菓子屋の前で売っているSPEEDやKinkiKidsといったアイドルのシールなどなど。
 それらシールを貼ってコレクションしたり、友達とシール交換をするために何度も貼ったり剥がしたりできる可愛いつるつるしたノートが、当時は女児向け文房具屋などに結構置いてあり、お小遣いでとっておきのものを買って、貼っていたのです。
 
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そのシール帳の中に、もらったプロフィール帳*2の写真スペースに貼るだけだったプリクラが進出してきたのが私のプリ帳のはじまりでした。
 
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画質は今のスマホよりも悪く暗く、落書きペンの種類も少なく、スタンプも可愛くない。フレーム加工だけ、素材もペラペラな古い古いプリクラもあります。そして何よりポーズと落書きのレパートリーが少なくダサい!立ってカメラを見つめているだけの写りを白く塗りつぶし、布団で「おやすみ」……悲しいけれど、これが当時の限界だったよう。でもそのくだらなさに笑っていた気もします。
 
 そんなプリクラですので、それを貼るプリ帳もただただくっつけて貼るだけ。特にデコデコした形跡はありません。ただ、後半になってくるとやはり「いつ誰とどこへ行った」などの情報はせめて書いておきたくなったのか、当時プリ帳の進化に伴って周囲で急速に流行りだした「ポスカ」で無理やりツルツル面に一言書いているページもありました。発色がよくてどこにでも書けるポスカ、当時の自分たちにはちょっとお高いけどめちゃくちゃ流行ったなぁ。
 
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 また、プリクラだけでなくお菓子の包み紙――具体的に言うと、不二家の「ミルキー」の紙も貼っています。これは当時流行った「1枚の包み紙の中に四葉のクローバーが入っていたらめっちゃレア」「持っておくといいことがある」というみんなだいすきなおまじないのようなものです。他にも色んなレア条件があって、別におまじないを本気で信じているわけではないけれど、嬉しくて貼ったんだと思います。FGOで星5サーバントが出てスクショ撮ってツイッターに流すような感覚に似てるような。当ててやったぜ!みたいな。
 
 

【2003年頃】罫線ノート型【中学生時代】

 プリクラの横に文字を書く、プリクラ以外のものを貼る、という新たな進化の兆しを経て誕生したのが2冊目。
 
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サイズも大きくなり、より自由度が増す無地の表紙に中は罫線だけの普通のノートです。表紙にはマリーちゃん。ライダーじゃなくてビーストの。手紙交換のための可愛い便箋集めも流行っていたのでその時のものでしょう。マリーちゃんかわいい。
背後にはAvril Lavigneの"I'm with you"の歌詞が書いてあります。デビュー当時の彼女の存在は衝撃でした。
字が下手すぎて「プソ帳」に見えるので表紙早く変えたかった記憶も蘇ってきました。
 
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1ページ目を開けてツッコミたくなるのが、いきなりプリクラじゃなくて写真しかないページになってることですね。プリクラはどこいった。
 
もうこの頃はプリ帳はプリクラだけを貼るものではなくなり、写真や好きな芸能人の雑誌の切り抜き、レシートまで貼るように。ほぼ日手帳に近い感覚のものになっていました。
 
その中でも特筆しておきたいのが、
「友人からの手紙(もしくは書き込み)を載せる」
という文化が生まれていたこと。
 
 プリ帳自体を友人に託して自由にお手紙のように書いてもらい、プリクラも貼ってもらって、デコってもらう。この大公開手紙交換のような形式のプリクラ交換、略して「プリ交」が学校内でのコミュニケーションの一部となっていました。
 これをいかに可愛い字で可愛く書くかということと、スクールカーストの話は後述しますが、「デコる」という作業が学生生活のコミュニケーションの中でもなかなかの比重を占めていたことを思い出します。「デコっちゃってぇ!(CV.増田俊樹)」がこだまする。
 
私の場合、友人とのプリ交は学校内の子との交換にはとどまりませんでした。
なんとーなく、クラスの子には隠したかったけれど、私は小学校の頃からパソコンとインターネットが大好きなオタク人間。自分のサイトも持っていたし、同人サイトも見ていたし、ふみコミュニティに入り浸り、MSNメッセンジャーでチャットしたりしてネット上のお友達がそれなりにいました。
いわゆる「リアル」と「ネット」が混ざりはじめたのがこの頃で、ネット上で趣味の合う子とプリクラ交換、略してプリ交をはじめ、もらったものをプリ帳に貼ったりしていました。
 
「これどこの子?」って聞かれたら「文通してる子」とか曖昧に答えていた記憶があります。当時は自分のサイトはバラしたくなかったし、インターネットで知り合うってこと自体、世間からそれほど「普通のこと」としては認識されていなかったように思います。
 
 それでも、当時のふみコミュや0574にはキラキラサイトと呼ばれる可愛いサイトがいっぱいあって、管理人さんはネカマとかではなく正真正銘、同世代のインターネットが好きな女の子。なんの疑いもなく住所交換をし、カラコ*3でもいいですか~?ツルペタ*4希望です~~なんて言ってメールのやりとりをして手紙交換をしました。仲いい子とはFAXもしていましたね。
 
 

【2004年頃】無印良品無双【中学卒業~高校時代】

 
 自分でオリジナリティを出す風潮が強まってきたのか、この時代のプリ帳にはよく無印良品のシンプルなノートが使われていたように思います。私の一冊も、無印の飾りっ気の無いノートです。一つ前のものと違い、中身も罫線なしの厚めのものになります。デコるのもいよいよ本気度が増してきて、雑誌の切り抜きは好きなものを主張するためだけではなく「センスがよくて可愛い(と自分が思う)もの」を選ぶ傾向に。
 
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この外国の子どもたちの写真なんか全く意味がわかりませんが、当時のキラキラサイトでも外国の女の子の写真モデルが流行ったりしていたので、私の中でなんか可愛かったんでしょう。
 
使用している筆記用具に注目してみます。「裏原」「Zipper」「ヨッピー」というワードが飛び交ってた中高時代。古着系、裏原系を象徴するようにパキっとした色使いができるポスカは相変わらず大活躍です。また、細いカラフルなペンでとにかく隙間を埋めることにも使える無印のゲルインキペンもよく使っていました。オレンジ色が多いのは、赤シートで隠せるからでしょう。勉強にも使えるからポイント高い。愛用していました。
 
 

【2006年頃】ポケット型、ネットと混ざる現実の学生生活【高校時代後半】

 
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このプリ帳に移ったのは、携帯の画質が良くなり、プリクラをデータで受け取ることが普通になってきた時期です。だんだん大きなノートをデコるのに疲れてきたのもあってか、なぜか流行ったのがこのポケット型プリ帳でした。無印無双はまだ続いていて、この本来写真を入れる用のアルバムもたしか無印の商品です。
 
ポケットにはキラキラサイトの運営で学んだ加工技術を活かしてプリ帳用の素材を作っていた残りがありました。
 
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「平成の小さな遺跡かよ……」とため息をつきたくなるような切れ端です。目がチカチカする。
これが出てきて思い出したのは、たしかプリクラ用の素材配布サイトを誰か数人と共同で運営していたことでした……。
インターネットの文化とプリ帳文化がはっきり混じり合い出したのが自分の中ではこの時期だったはずです。皆が携帯を持っていて、個人で携帯サイトを持ち出して、インターネットに繋がることが当たり前になったからこその変化なのかなと。
 
ただ、それも先程述べたようにプリクラをデータで持つようになってからだんだんとプリ帳を作るのが追いつかなくなり、私のプリ帳はここで終わってしまっています。デコる用の素材は歌詞画*5ブームもあったのでしばらく加工の練習も兼ねて作っていたように思いますが、提供するばかりで自分でプリクラを整理するのは飽きてしまったようです。
 

デコるセンスとスクールカースト

 学生時代にやったことで後悔していることなんて数え切れないほどありますが、その中でも一つ、私が特に大人になってから後悔しているのが、「ギャル文字、丸文字を練習したこと」です。
 
この記事を書こうと思った時に過去のものを引っ張りだしていたら、こんな本が出てきました。
 

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かわいくキメる手紙のアイデア100 (M.B Books)

かわいくキメる手紙のアイデア100 (M.B Books)

 

 

私が小学生高学年の頃に流行った手紙の折り方、書き方、略語や、エアメールの出し方まで載った盛りだくさんの神本です。ハリー・ポッターと同じぐらい読んだのではないでしょうか。ボロボロです。
 
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この中で、こんな風にルーズな文字を練習するページがありました。プリ帳をデコるのに、手書き文字は必須。当時の私はこれを見てわざと文字を下手に書くように練習していたのです。おかげでいい年齢になった今でも気合を入れないと綺麗な字が書けないことがコンプレックスになってしまいました。
 
こんなことに必死になるくらい、当時の「センスがいい」には、文字の形がいかにかわいいか、ということも含まれていたように思います。
 
私は体育も苦手、おしゃれもそれほど、容姿もお世辞にも良いとは言えない、ほっといたら教室の片隅で一人インターネットのことを考えているような地味なオタクでした。今は「それで全然えぇやん!」と思うのですが、田舎の教室の渦中ではそうは思えなかったようです。
そんな私が足掻いてスクールカーストの真ん中らへんに縋りつこう、ちょっとお洒落な子の仲間でいたい、とやっていたのがプリ帳をデコることでした。もちろん、単純に楽しかったのもありますが、可愛いあの子と友達になるため、たとえグループが違ってもクラスの人気者と仲良しでいたいから……そんな理由もありました。
 

自己表現としてのプリ帳

 
こう書いてみると、必死なオタクがパリピに付いていこうと無理してた話にも思えますが、プリ帳には「当時の私」がたくさん詰まっています。
 
好きなバンドのライブレポ、歌詞、行ったお店のこと、恋愛のことなどなどを織り交ぜながら、
「本当はインターネット上でキラキラサイトを運営してて加工もコラージュも大好きなんだ!見てくれよな!!」っていう自己主張が溢れ出ています。
人間誰にでもある自己表現欲と承認欲求を、プリ帳は顔の写りとかあんまり関係なく満たしてくれていたように思います。
 
もうプリクラなんて滅多に撮りませんし、今はおしゃれな写真はみんなインスタ行きですが、時々こうして過去を振り返ってみると、プリ帳という手作り感溢れるツールが愛おしくなりました。
 
他の同世代の方々のプリ帳についての思い出話も読みたいなぁと思いつつ、記事を終わらせて頂きます。次回はキラキラサイトのことでも書こうかな……
 
 

*1:小学館発行の月刊少女漫画雑誌

*2:自己紹介を書き連ねる可愛い用紙。メルアド、住所など知れるので、アドレス帳代わりにも。お互いに配り書き合うのが流行した

*3:プリクラをカラーコピーしたもの

*4:カラーコピーした紙のプリクラの表面に透明のテープを貼り、裏面に両面テープを貼って本来のプリクラのようにシールの質感にしたもの

*5:歌詞が書かれたガラケー用の待受画像